こんにちはkyokotobaです
奈良と言えば連日多くの日本人・外国人の方が観光に訪れています
古都奈良には世界遺産に登録されている史跡や観光スポットが多くあるのは皆さんよくご存じですね
しかし、まだ奈良には知られていない史跡スポットがあるのです
そんな史跡スポットの穴場と言える「幻の大仏鉄道」遺構めぐりを秋の良く晴れた日に歩いてきました
鉄道オタクの方もあまり知らないと思いますが、奈良にたった9年間だけ運営された鉄道があったのです
加茂駅から奈良駅までのたった9.9㎞の小さな路線でした
「大仏鉄道」と呼ばれていましたが、今はその姿を想像できる遺構も数少ししか現存していません
わずかに残された数か所の遺構をめぐるルートを歩いて巡るのが今静かなブームになっているのです
ニッチな史跡スポットですが、街中から新興住宅地、森の道、懐かしい田園などハイキングコースとしても楽しめます
奈良の史跡スポットにはほとんど行ったけど「大仏鉄道」は知らなかったというシニアにおすすめです
「幻の大仏鉄道」
大仏鉄道は当時の鉄道会社の「関西(かんせい)鉄道」によって加茂と奈良の結ぶわずか9.9㎞の路線で明治31年4月に開業しました
大仏鉄道という名称は、当初は加茂駅と大仏駅を結ぶ区間で開通し、大仏駅で降りて東大寺の大仏を見学する客が多かったことから愛称として大仏鉄道と呼ばれるようになったようです
「大仏鉄道遺構めぐりマップ」に描かれた当時走っていた「いなづま号」
また「幻の大仏鉄道」と言われる理由は、当時の資料があまり残っていないので実際のところが良くわからないからです
ただ、路線の跡には隧道(ずいどう:川の水や人を通すためのトンネル))や橋台の遺構が残されており当時の様子がわずかですが偲ぶことができます
赤橋
平成26年度、奈良市と木津川市が共同で作成した「幻の大仏鉄道 遺構めぐりマップ」配布されると多くの鉄道ファンや歴史好きの方が遺構めぐりをするようになりました
「大仏鉄道遺構めぐりマップ」
「幻の大仏鉄道 遺構めぐりマップ」は奈良市公式サイトよりダウンロードしてください こちらから
「幻の大仏鉄道 遺構めぐり」に行ってきた
「幻の大仏鉄道 遺構めぐり」マップでは全行程約13㎞の道のりです
加茂駅、奈良駅どちらからでも出発してもいいのですが、電車の時間の都合で奈良駅から出発しました
「幻の大仏鉄道 遺構めぐりマップ」に記載された遺構には案内掲示板があり、遺構に向かう道しるべも奈良市・木津市ともに整備しているので遺構を見つけられないとか道に迷うことは無いと思いますが、「幻の大仏鉄道 遺構めぐりマップ」は必ず携帯して確認しながら歩くことをおすすめします
kyokotobaが歩いた遺構めぐり順番はこちら
遺構めぐりマップの番号と違うのでご容赦ください
①奈良駅から③大仏鉄道記念公園
①奈良駅
JR奈良駅から出発です
平日だというのに大勢の旅行者でにぎわっていました
出発は午前10時52分です
駅前の観光案内所でも「幻の大仏鉄道 遺構めぐり」のポスターが貼っていますが、見過ごしてしまうほどです
②佐保川橋脚
奈良駅を左に進んだ油阪交差点を右に曲がると直ぐに船橋通りです
船橋通り商店街を北に進みます
佐保川に架かる橋は下長慶橋です。この佐保川の川底にレンガ製橋脚基礎部分が残っているとのことでしたが
残念ながらkyokotobaは見つけることが出来ませんでした。次回機会があれば発見したいです
③大仏鉄道記念公園
下長慶橋の先に大仏鉄道記念公園が見えています
大仏駅の跡地に「大仏鉄道記念公園」が作られています
小さな一画に車輪のモニュメントがあります
④黒髪山トンネル跡から⑤鹿川隧道
大仏鉄道記念公園から黒髪山トンネル跡までは県道44号線(奈良加茂線)に沿って歩きます
歩行者専用レーンがあるので安全です
奈良鴻ノ池運動公園のスターバックス
雰囲気が良いスターバックスなので休憩しても良いですが、出発したばかりなのでまたの機会にしました
④黒髪山トンネル跡
トンネルは歩道橋下のセンターライン 付近にあったようです
昭和39年に山を切り開き現在の道路が開通した際に取り壊されてしまいました
⑤鹿川隧道
場所としては梅谷口交差点の下になるのですが分かりにくいです
信号機の左横に下に降りる小道があります
ちょうど県道44号線の真下にありました
交差点から側道を降りて民家の横を通って行くのですが距離はあります
農業用水路の目的で造られた隧道です
⑥松谷川隧道から⑦井関川橋梁跡
⑥松谷川隧道
鹿川隧道から県道44号線を歩くと新興住宅街が現れます
その梅美台西交差点のすぐ近くで隧道跡への道が整備されています
関西鉄道社章モニュメントが目印です
モニュメント横の階段を降りると隧道まではすぐそこです
レンガ造りの隧道。色の違うレンガが交互に配置されています
⑦井関川橋梁跡
松谷川隧道から住宅街を進み梅美台交差点を右に曲がって直進です
梅谷交差点付近に橋梁があったということが分かっているだけで遺構は残っていません
ただ「幻の大仏鉄道 遺構めぐり」マップの立て看板がその場所を示しています
⑧赤橋から⑨梶ヶ谷隧道
井関川橋梁跡の梅谷交差点を一番細い道を進むことになります
時々車が通るだけの何もない山の中の道を歩きます
しばらく山道を歩くと急に左手に住宅街が現れます。それが城山台住宅地です
城山台住宅地横の道を進むと城山台公園(大仏鉄道公園)があります
城山台公園は大仏鉄道公園とも呼ばれ、線路や大仏鉄道の案内掲示板が設置されています
旅程の約中間点なので、ここで一休みすることをお勧めします
⑧赤橋
大仏鉄道公園の道を挟んで反対側に赤橋があります
レンガ造りの橋台で現在でも使用されています
上に見えるガードレールは、大仏鉄道線路跡の道のガードレールです
⑨梶ヶ谷隧道
赤橋を過ぎるとほんの数十メートルで梶ヶ谷隧道です
アーチ部は赤レンガ造りで下部は石積みの隧道です
赤橋と梶ヶ谷隧道の上部は大仏鉄道の線路跡が小道として残っています
大仏鉄道の遺構めぐりの中で一番当時の線路跡と隧道が整備されてる場所です
⑩鹿背山橋台から⑪観音寺橋台
梶ヶ谷隧道から美加ノ原CCゴルフ場の前を通って鹿背山橋台に向かいます
途中三叉路があり間違えないでくださいね、狭い道の方に進みます
標識がありしっかり鹿背山橋台に向かう道が表示されています
⑩鹿背山橋台
山道ですが田んぼもあり開けた道を進みます
鹿背山橋台は石積みの橋台で、迫力がある遺構で人気のスポットらしいです
次に鹿背山橋台から観音寺橋台に向かう道は遺構めぐりで一番の難所です
この道で良いのかな?と思っても標識を信じましょう
狭くて細い道を歩くので一人では途中心細くなりました
民家がぽつぽつあるのですが、通り過ぎるとまた竹林や雑木林の小道を進みます
しばらく歩くと観音寺小橋台があります
⑫観音寺橋台
そしてすぐ近くに観音寺橋台があります
関西本線に現在使用されている後ろに見える橋台と並んで観音寺橋台が同じ場所にあります
観音寺橋台の下を通って進んでも加茂駅に行くことができますが、加茂の住宅地を通るのは橋台を左手に見ながら進みます
加茂の新興住宅街が見えてきました
⑫旧加茂駅跨線橋支柱から⑭加茂駅
新興住宅地の横の田園風景を進み加茂の街に入ります
⑫旧加茂駅跨線橋支柱
加茂駅では旧加茂駅跨線橋支柱が残されています
加茂駅の新駅舎建設時に支柱は残されました
⑬ランプ小屋
駅などで使う石油ランプの油やランプを保管していた建屋です
関西鉄道加茂駅開業当時から残る建物です
赤レンガ造りでレンガの積み方はオランダ積みとなっています
現在でも使用されています
⑭加茂駅
途中に木津川市観光案内所があります。木津川市の観光案内のパンフレットを色々頂きました
お疲れ様でした。加茂駅到着
加茂駅は大阪天王寺に直通の大和路快速の始発駅でもあります
約3時間半の行程でした。休憩はほとんどとっていなかったので約13㎞の行程ですが結構疲れました
大仏鉄道公園で休憩したりのんびり風景を楽しむなら歩くのなら4~5時間は見ておいた方が良いでしょうね
2回に分けて歩くのも良いでしょう
大仏鉄道公園近くには赤橋や梶ヶ谷隧道があります
奈良駅からここまでが遺構めぐりの前半としたらどうでしょうか
疲れたらJR木津川駅に向かって後半の行程は別の日にめぐることにするのも良いと思います
JR木津駅
木津駅までは住宅街を約20分ほど歩くと到着します
奈良、京都、大阪方面に電車があるのでとても便利です。
まとめ
鉄道オタクや歴史マニアの方にもあまり知られていないだろう大仏鉄道の遺構めぐり。つくづく奈良には本当にたくさんの歴史的スポットがあるのだなと感心しました
資料が少ないおかげで、当時を想像しながら遺構をめぐることが出来ました。また約13㎞なのでちょうどよいハイキングコースとして楽しめました。ただ人影もない場所もあるので一人より二~三人以上でわいわい話しながら歩く方が寂しくならないでしょう
「幻の大仏鉄道」遺構めぐりは奈良の隠れた観光スポットとしてもっと多くの人に知って欲しいと改めて思いました歴史好きな健康のために歩きたいシニアにおすすめします
当記事へのご質問がある方は「お問い合わせ」よりご連絡をお願いします