シニアが楽しむ「世界遺産 平城宮跡歴史公園」1300年前の古都に想いを寄せてのんびり散策しよう

楽しむ

こんにちはkyokotobaです

学生時代に「なんと(710)立派な平城京」と平城京遷都の年を語呂合わせで習いましたね
現在1300年前の平城宮を復原させるべく「平城宮跡歴史公園」の整備が進んでいるのはご存じでしょうか

秋の良く晴れた日に「平城宮跡歴史公園」に訪問してきました
その広大な土地に当時の建物を再現した公園は、1300年前にタイムスリップしたかのような気分となり歴史のロマンを十分感じることができました

奈良の観光スポットして「平城宮跡歴史公園」を訪問する観光客はまだまだ少ないです
歴史が好きで1300年前の平城宮と人々の暮らしに興味がある方には最適な観光地の穴場ではないでしょうか

いにしえの奈良のみやこを肌で感じたいシニアにおすすめです

平城京はなぜできた

平城宮跡歴史公園を紹介する前に平城京の前知識を知っておきましょう

平城京ができたのは西暦710年。元明天皇がそれまでの都だった藤原京から遷都しました
なぜ遷都したかの理由はいろいろあるようです

①藤原京は水はけが悪かったので適地を探していた
②藤原氏が旧豪族の影響を避けたかった

他に、より立派な都を築くことによって国内外に天皇の権力と支配力を見せ付けるためだったと言う説もあります
どれか一つだけが理由というのではなく思惑が重なった結果なのでしょう

威風堂々とした第一次大極殿

平城京と平城宮

平城京のモデルとしたのは唐(中国)の長安という都というのは有名ですね

東西約4.3km、南北約4.8kmの長方形の東側に東西約1.6km、南北約2.1kmの外京を加えた広さでした
都の南端にある羅城門から朱雀門までまっすぐにのびるメインストリートは朱雀大路と呼ばれ、道幅は約75mもありました
平城京には10万人以上の人が暮らしていたといわれています

平城京の規模

平城京の中心が平城宮でした
政治・儀式の場である大極殿や天皇のすまいである内裏、役所の日常的業務を行う屋敷が集まったのが平城宮です
広さは1 km四方で東側に、東西250m,南北750mの張り出し部がありました
平城宮に入ることは一般人はできませんでした

平城宮の規模

現在、「平城宮跡歴史公園」は世界遺産を構成するひとつとして、だれもが自由に訪れることができる場所となっています

平城宮跡歴史公園の素晴らしい注目ポイント5つ

①当時の実際の場所に平城宮が再現されているのでタイムスリップ感が味わえるところ

よくこれだけ広大な土地が現代まで残っていたなと、現地に行って最初に思う人は多いでしょう
そして当時の実際の場所に平城宮が再現されているのです
まだ完全に再現された平城宮ではありませんがタイムスリップ感は十分に味わえるでしょう

②復原された宮殿・門・庭園塀が限りなく本物のところ

張りぼてでも鉄筋コンクリート製でもありません
専門家が過去の資料や同時代の建物を研究して設計し、資材も当時と同じ材料を調達して現代の宮大工が当時の大工道具を使って造った限りなく本物なのです

③平城京の造営から行事や暮らしぶりを知ることができるところ

「平城宮いざない館」「平城宮跡資料館」で平城宮の造営の様子や生活、「復原事業情報館」で平城宮復原の経緯、「遺構展示館」で発掘の様子を知ることができるので見所満載な公園と言えます
1300年前の人々の暮らしを知ることで平城宮が身近になる気がしてきます

④入館料は無料というところ

信じられないことに全ての施設は入館無料です
ただで遊んで学べるのです。平城宮跡歴史公園を利用しない理由はありません
有料駐車場代が一日500円なので、500円で一日遊べると考えると行かない手はありません

⑤ボランティアのガイドが丁寧に案内してくれるところ

更にですよ、各施設にはボランティアのガイドさんがいて、丁寧に説明してくれるのです
学生なら質問を考えておいて、ボランティアさんに当日質問して教えてもらうのも良いでしょう
ガイドさんは人数が少ないので聞きたいことがあれば早めに質問した方がいいです

なんといってもテーマパークではなく国の事業として限りなく本物に近く再現されているので、軽薄なところがありません

当時の場所に復元された宮殿や門を歩きながら、奈良時代の姿を思い浮かべて歴史のロマンを感じ取ることができるのが最大の魅力です

朱雀門

さあ平城宮跡を見学しよう

見所がたくさんある平城宮跡歴史公園ですが、とにかく広大です

歩きやすい服装・靴で入園することをお勧めします

全て見学するのは相当時間がかかります
またどこから入園するかでも見学できる施設や時間が違ってきます

ここでは、すべての公園にある施設の案内をしたいと思います

時間に合わせて見学施設を組み合わせることをおすすめします

「朱雀門ひろば」

出発はたいてい「平城宮跡歴史公園」の玄関と言える「朱雀門ひろば」からになるでしょうか
有料駐車場もあり観光バスが到着するのは朱雀門広場ですし、平城宮の玄関である朱雀門もあるのでスタートにはうってつけです

朱雀門広場では朱雀門、朱雀大通、平城宮いざない館、復原遣唐使船は必ず見学して欲しいスポットです

・朱雀門(すじゃくもん)

平城宮の入り口には羅城門があり、そこから朱雀大路を北へ3.7㎞歩くと突き当りが平城宮の正門の「朱雀門」です
朱雀門前の広場は当時の人々の祝祭の場だったらしいですね
復原された朱雀門は平成10年1998年に完成しました
朱雀門の左右には高さ6mの塀(へい)がめぐり、約1㎞四方の広さを持つ平城宮を取り囲んでいたようです

朱雀門と塀の一部が復原されています

・朱雀大通

羅城門から朱雀門まで約3.7㎞続く道幅75mの大通でした
復原された大通を歩くと、その広さに圧倒されます

朱雀大通から見た朱雀門

・平城宮いざない館

平城宮跡歴史公園の見どころです。出土品や資料公開を通じて奈良時代を知ることができます
当時の生活やものづくりにも触れ、それらを体験することもできるので小中学生の課外授業でたくさん子供たちが訪れています
ここは必ず見学して欲しいスポットです

・復原遣唐使船

野外スペースに復原された遣唐使船が置かれています
無料で乗船することもできますよ
中国までの荒波をこの船で渡ったのかと思うと先人たちは勇気がありますね

その他「朱雀門ひろば」には天平みはらし館、天平つどい館、天平みつき館、天平うまし館があり、休憩したり食事をするスポットがあるので時間があれば見学したらどうでしょうか

平城宮いざない館のテラスから朱雀門を眺める

第一次大極殿院大極門(南門)

朱雀門を抜けると遠くに第一次大極殿院大極門(南門)が見えます
2022年に完成した一番新しい建物です
南門の右側は現在建築中の東楼です。これが完成すると南門の左側に西楼を作ります

大極門は周囲を築地回廊で囲んだ南北約317.7m、東西約176.5mの第一次大極殿院の南側に位置する正門です
儀式の際には天皇が出御することもあったようです
朱雀門より格式が高いとされています

朱雀門から、すすきの原っぱを進むのですが、実は途中に近鉄電車の線路があるのです
平城宮跡に電車が走っている光景は中々シュールです

第一次大極殿

大極門(南門)からは大極殿院と呼ばれた区画の先に第一次大極殿があります
平成22年2010年に完成しました

大極殿院はまだ整備されていないので今はただの原っぱですが、当時の第一次大極殿院は南北320m、東西180mの区画でした
儀式の際に貴族が整列した広場と言われています
こんな感じで整列していたようです

大極殿から見た大極門(南門)と大極殿院の広場

大極殿は天皇の即位などの大切な儀式がおこなわれていた最も重要な建物です

天皇が着座する玉座(実物大のイメージ模型)

その大きさに圧倒されます
当時の人がこの大極殿を見ると天皇の権威に畏怖したのではないでしょうか

第一次大極殿と第二次大極殿

ところで平城宮にはこの大極殿の跡が2つも残っているのです
第一次大極殿と第二次大極殿です
何故なんでしょう?

平城宮いざない館内の模型 左が第一次大極殿、右が第二次大極殿

その理由は「第一次大極殿」は元明天皇が建てた大極殿で「第二次大極殿」は聖武天皇が建てた大極殿だからです
聖武天皇は740年から745年まで、都を転々と移し替えたのですが、745年には再び平城京を都としました。このときには以前の大極殿があった東側に新しい大極殿を建てたので最初の大極殿と区別するために第二次大極殿と呼ばれています

第二大極殿は現在は遺構がそのまま保存されているので見学することができますよ

第二次大極殿跡から見た第一次大極殿

遺構展示館

発掘調査で見つかった平城宮の役所の建物跡の遺構を、発見当時の状態で保存・展示しています
間近で保存された遺構見ることができるように考えられていて、発掘時の様子を想像することができます

また復元した建物模型で当時の建物を知ることもできます

推定宮内省

天皇を支える役所だと考えれれています
当時の役所が復原されています
遺構展示館の近くにあります

東院庭園

kyokotobaのおすすめスポットです
日本庭園の始まりとされる庭園で、天皇や貴族が宴会などを行った建物や庭園が復原されています

広さは大きくないですが、素人目にも素晴らしい庭園だと感じました
晴天の下、朱色の建屋が映えます
当時の天皇や貴族も楽しんだことが理解できると思います

建部門(東院南門)

東院庭園直近の門です
美しく復原されています

壬生門跡

第二次大極殿ができた奈良時代後半には、実質的に平城宮の正門として使われたようです
壬生門の正面が第二次大極殿に位置します

式部省・兵部省跡

式部省は役人の管理、兵部省は軍事関係の管理をしていた役所跡です

復原事業情報館

「第一次大極殿院建造物復元整備工事」について紹介しています。映像で復原経緯を紹介もしています。小さい建物なので見学しても時間はかかりません

平城宮跡資料館

平城宮跡の70年以上にわたる調査研究成果を展示しています。当時の平城宮や生活・行事などを知ることでは若干平城宮いざない館に展示内容が重なりますが、こちらの展示はよりサイエンスに寄った展示になっています

ピクニックの休憩おすすめの場所

復原事業情報館と平城宮跡資料館を結ぶ道の途中に大きな芝生のエリアがあります
家族やカップルでピクニック気分を味わいたいならこのエリアでお弁当を広げてもいいのではないでしょうか
平城宮跡資料館から見た広場

平城宮跡スタンプラリーに参加しよう

平城宮跡歴史公園ではスタンプラリーを楽しむこともできます
朱雀門・第一次大極殿・遺構展示館・東院庭園・平城宮跡資料館の5か所を回ってスタンプを全て押せば記念品がもらえます

しかも一日で回る必要はないので、回れなかったら次回に回ればよいのです
スタンプラリー用紙はこの5か所どこにでも置いているので手に入れたところから始めることができますが、ただ記念品交換は平城宮跡資料館なので、ここを最後の見学場所になるように回ってくださいね
スタンプはこんな感じです

全てのスポットを回るとしたら公園の東西南北の端から端まで歩くことになるので相当疲れます
kyokotobaは2回に分けて回りました・・・

粗品としていただいたのはクリアファイルでした

アクセス

公共交通機関の場合

バスの場合
JR奈良駅よりバスがありますが便利は悪いようで調べてみてください

電車の場合
おすすめは近鉄電車を使用することになります
大和西大寺駅下車で約15分歩きますが初心者でも分かりやすいでしょう
平城宮跡資料館から入園するのが一番近いです

車の場合

有料駐車場
朱雀門広場内と道を挟んだ反対側に有料駐車場があります

県営奈良めぐり平城宮跡前自動車駐車場
乗用車 200円/h(上限500円/日)

無料駐車場
初めて訪れる方には分かりにくいと思いますが平城宮跡内に3か所無料駐車場があります
どの無料駐車場も県道谷田奈良線からしか入れないことは注意が必要です

平城宮跡資料館駐車場

遺構展示館駐車場

東院庭園駐車場

見学時間はどれくらいみたらいいの

気に入ったら一日でも滞在したい空間です
そうは言っても時間に制限がある旅行が多いと思います
駆け足で見学するのなら2時間、全て一通り見学するなら4時間は見ておきたいですね

2時間コースなら「平城宮いざない館、朱雀門、大極門、第一次大極殿」の見学でしょうか
第一次大極殿まで行って帰ってくるだけで平城宮いざない館に時間をかけたらどうでしょうか
それでも十分に平城宮跡の雰囲気に浸れます

4時間コースなら「平城宮いざない館、朱雀門、大極門、第一次大極殿、第二次大極殿、遺構展示館、東院庭園」などが見学できます

とにかく広いので施設を移動するだけで時間がかかるのです
当日は欲張らずに「平城宮跡歴史公園」だけの見物にした方がゆっくり見学できます
また、見所が多い公園なので何日かに分けて訪れるのも良いと思います

まとめ

よくこれだけの土地が昔のままに残されていたことに驚かずにはいられません
平安京に遷都した後は平城宮は田んぼになったということなので遺構が残されたということです。また現在の奈良市の中心地は東に離れているので大きな建物が建つこともなく残されたんですね
後数十年かかりそうですが完全な平城宮の復原を期待したいです

有名な観光地もいいですが1300年前にタイムスリップできる場所は貴重です
是非足を運んで欲しいスポットです
平城京の姿を思い浮かべながら、歴史のロマンを感じたいシニアにおすすめです

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