シニアが行って来た法隆寺金堂壁画収蔵庫限定公開クラウドファンディング支援で後世に残したい

楽しむ

こんにちはkyokotobaです

今回は法隆寺金堂壁画収蔵庫限定公開に行って来たので様子を皆さんに報告したいと思います

法隆寺金堂は国宝として世界最古の木造建築物として世界遺産にも登録されています

ご存じの方もいると思いますが内部の壁画は昭和24年の金堂の解体修理中の原因不明の失火のために焼損してしまいました。その時焼損した壁画と柱などの部材は所蔵倉庫に収められています

その貴重な壁画を保存するとともに一般公開するためのデータを収集する目的で掛かる費用を捻出するために2021年からクラウドファンディングを募り、支援者対象に限定公開が始まったのです

kyokotobaはその趣旨に賛同してクラウドファンディングに支援することで5月の限定公開に行くことができました

金堂が火災に遭ったことは知っていましたが壁画が保存していることは知りませんでした

収蔵庫内部に燃えた柱を補強して金堂1層内部の配置構成そのままに再構築していたのですね

焼損した壁画も少しずつ修理を続けたのでしょう、ススはきれいに除去されていて当時の色は落ちていましたが絵画の輪郭は残っている状態でした

焼損した後の壁画を見ても、当時の壁画はどんなに素晴らしい芸術作品だったのか想像できるほどでした。焼損した壁画を後世に伝えるべきと改めて思いました

原則非公開の金堂壁画ですがクラウドファンディングのことを知り運よく限定公開中に見学することができました

そして久しぶりに訪れた新緑に包まれた法隆寺をゆっくり参拝することもできました

興味がある方はこのブログを読んでクラウドファンディングに協力をしていただければ嬉しいです

貴重な文化財保護に興味あるシニアにおすすめです

法隆寺と言えば

日本人なら誰でも知っているお寺ですね。教科書にも出てきますし学生時代に修学旅行で訪れた方も多いのではないでしょうか

聖徳太子によって創建された寺院として知られています

創建は推古15年(607年)とされています。金堂、五重塔を中心とする西院伽藍と、夢殿を中心とした東院伽藍に分けられ、国宝・重要文化財の建築物や仏像が多く保存されています

ただ現存の法隆寺は聖徳太子在世時の建築ではなく、一度焼亡した後に再建されたものであることが調査の結果判明しています

法隆寺の建築物群は法起寺と共に、1993年(平成5年)に「法隆寺地域の仏教建造物」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました

日本の貴重な財産と言えます

法隆寺金堂の火災と壁画保存

金堂の火災は戦前から続けられていた「昭和大修理」といわれる解体修理さなかの1949(昭和24)年1月26日に発生しました

出火原因がわかっていません

解体修理中だったので外に出されていた本尊・釈迦三尊像(国宝)をはじめとする仏像群と壁画「飛天図」や金堂建屋の多くの部材は難を逃れましたが、一層内部の壁画や柱が損傷し壁画の当初の彩色は失われてしまいました

国宝の金堂が昔火事を起こしたことはご存じの方は少ないと思います

しかしこのことがきっかけとなって、文化財保護法が制定されたほど世間に揺るがす事件だったのです

現在、その時に焼けた柱群と壁画が別の収蔵庫に移され非公開になっていました

今回、将来の一般公開に向けて収蔵庫の改修を進めるためにクラウドファンディングで費用を募っていることを知ったので寄付するとともに、支援者対象の収蔵庫限定公開に参加したのです

壁画保存に向けたクラウドファンディング

壁画は焼けた金堂一層部の木部とともに金堂内における配置構成のまま収蔵庫内に再構築され今も大切に守られています

収蔵庫

そして法隆寺では焼損壁画を将来公開する方向であり、一般公開に向けて収蔵庫を改修する方針が決まりました

今回のクラウドファンディングは、正しく金堂壁画の現状を知っていただくこと、一般公開に向けて温湿度の変化のデータを集めること、多額の調査・研究活動費用を賄うことを目的に2021年から実施されています

写真はREADYFOR株式会社のホームページから拝借 空調調査の様子

今年は5月に開催されることになったのです

壁画所蔵庫限定公開内容

所蔵庫限定公開に参加するにはクラウドファンディングに寄付が必要です

クラウドファンディング運営会社 READYFOR株式会社のホームページから法隆寺壁画所蔵庫保存活動支援のクラウドファンディングに支援することができます
ご興味ある方は支援ホームページをご覧ください

【重文・法隆寺金堂壁画】支援ページはこちらから

2024年の開催日程

実施日:

5月11日(土)、5月12日(日)、5月13日(月)、5月14日(火)、5月17日(金)、5月18日(土)、5月19日(日)、5月23日(木)、5月24日(金)、5月25日(土)、5月26日(日)

実施時間:各日程、10:00から16:00までの間の30分区切り(12:30~13:30を除く)、計10コマ

所要時間:30分間(ガイダンス含む)

参加人数:各回8名様ずつ

特典として壁画所蔵庫限定公開への参加と大宝蔵殿内収蔵宝物の特別公開を見ることができます。また法隆寺参拝券もついているので、所蔵庫見学後に法隆寺をゆっくり見学することもできます

金堂壁画所蔵庫限定公開に行ってみた

11時の集合だったのでJR法隆寺駅に10時に到着しました

南口からバスも出ていますが天気が良かったので北口から徒歩で向かいます

北口から約20分の距離です

案内板も出ているので間違うことはありません

県道5号線をまっすぐ北に向かいます(山に向かって)

法隆寺東交差点を左折します

バスの停車場がありました。便数は少ないですが奈良市内に行く便もあるようです

法隆寺前の信号を右折すると参道です

国宝の南大門が見えてきました

南大門の前に金堂壁画収蔵庫限定公開の案内板が出ていました

南大門から見た西院伽藍は美しかったです
まっすぐ中門に向かって進んでいくと左手の伽藍配置図の脇にも看板がありました

案内板に従って右折します

途中にも小さい看板がありしばらく歩くと左手に曲がります

集合場所の大宝蔵殿の入り口に到着です

案内の方が準備していました。少し早いですが手続きしました
ガイド冊子と法隆寺の特別参拝券を頂きました

受付の先が大宝蔵庫です

通常は一般公開していない大宝蔵殿も支援者には公開されていたので時間まで見学しました
写真撮影はできませんでしたが多くの国宝や重要文化財が展示されており素晴らしかったです

kyokotobaが参加した11時の部は5名でした

収蔵庫まで案内してもらいます

収蔵庫に入るとバッグを預けて靴シートを履きます
これは異物侵入を防ぐためだそうです。案内役は若いお坊さんでした

かばん類は待機所で預けます
最初の15分はお坊さんより壁画の現状を説明してくださり、後の15分は自由に見学して質問があればお坊さんに尋ねるというスタイルでした

内部は写真禁止のために写真はありませんが、現存しておれば間違いなく国宝でしょうね

パンフレットより 写真は焼損前に撮影

焼けた柱は室内に向いた側は焼けていますが反対側は焼けていませんでした
柱は以前のままに組みなおしているのですが鉄材で補強していました

収蔵庫の中に金堂がセットされていると思ってください

壁画も壁に貼ってあるので色彩はありませんが当時を偲ぶことはできました

写真はREADYFOR株式会社のホームページから拝借 昨年の限定公開の様子

エアコン空調はありません。計器をみると温度20.3°、湿度59%でした
一般公開時には空調するかどうか検討するために、人が室内に入ると温度・湿度・二酸化炭素濃度がどう変化するか調査中とお聞きしました

収蔵庫から見た五重塔

所要時間はピッタリ30分
見学が終わると法隆寺を何十年ぶりかで見学しました

法隆寺散策

壁画限定公開見学の後はゆっくり法隆寺を見て回りました

5月ですから修学旅行生でいっぱいでした

法隆寺は大きく三つのブロックに分けられます。西院伽藍、大宝蔵院、東院伽藍の三つです

だいたい時間があれば三か所すべて、時間がなければ西院伽藍と大宝蔵院だけの見学になるようです

kyokotobaは西院伽藍のさらに西に位置する国宝 西円堂から見学しました

国宝 西室三経院

有名な西院伽藍に入ります

国宝 五重塔

木造五重塔として現存世界最古のものとして有名です

国宝 金堂

国宝 大講堂

柱の形はエンタシスと呼ばれる柱の中央が膨らみを持った形状です
ギリシアのエンタシスとは関係ないとも言われています

国宝 東院聖霊院

次は大宝蔵院に向かいます

大宝蔵院(百済観音堂)

平成10年に完成した大宝蔵院(だいほうぞういん)です

百済観音像(くだらかんのんぞう)を安置するために建てられました
百済観音像をはじめとする寺宝を公開しています
他には玉虫厨子(国宝)が有名ですね

次は東院伽藍に向かいます

国宝 東大門を通ります

お土産屋さんも2件ほど店を出していました

東院伽藍

東院伽藍は聖徳太子一族の住居であった斑鳩宮の跡に天平11年(739年)に僧行信により建立されました

国宝 夢殿

奈良時代建立の八角円堂で聖徳太子の等身像とされる救世観音像を安置しています

丁度この時期、4月11日~5月18日で秘仏の救世観音菩薩立像の特別開扉を行っていたので見ることができて幸運でした

国宝 伝法堂

国宝 東院鐘楼 

鎌倉時代建立

どこもかしこも国宝・重要文化財ばかりで圧倒されました

約1400年間、地震や台風の天災や火事や紛争による人災に遭わず残っているのは奇跡としか言えません

金堂壁画所蔵庫限定公開見学と合わせて約3時ほど過ごしましたが春の法隆寺を満喫することができました

まとめ

金堂壁画収蔵庫限定公開への参加は日本の文化を考える良いきっかけになりました

それにしても法隆寺の国宝の数には驚きました。1400年守ってきたこの宝物を将来にも繋いでいかなければならないと改めて思いました
個人でできることは少しずつ協力していきたいと思います

久しぶりの法隆寺と文化財を保存する活動に触れることができた充実した一日でした
世界文化遺産にも登録されている国宝法隆寺に興味があるシニアに支援してほしいです!

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