シニアが知りたい弥生文化「唐古・鍵遺跡」弥生時代に約700年間存在した日本最大級の環濠集落跡です

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こんにちはkyokotobaです

皆さんは弥生時代の環濠集落跡で有名なところはどこか問われたら、ほとんどの人は福岡県の吉野ヶ里遺跡を思い浮かぶのではないでしょうか

ところが奈良県にもそれに匹敵する環濠遺跡があるのをご存じでしょうか

それが今回紹介する唐古(からこ)・鍵(かぎ)遺跡です

弥生時代の約700年間存在していました

特に何が重要かと言うと、唐古・鍵遺跡から弥生時代が稲作の社会だったことが確認できたということです

現在では唐古・鍵遺跡史跡公園として全体の四分の一を公園として整備しています

その中心的なシンボルとして復元楼閣がそびえたっています

今回のウォーキングは最寄りの駅である近鉄電車で田原本駅を出発して、遺跡から出土した展示物を見ることができる唐子・鍵ミュージアムを訪れてから唐古・鍵遺跡史跡公園を見学するコースとしました

歩く距離は短いですが唐子・鍵ミュージアムや唐古・鍵遺跡史跡公園では十分時間をとったので3時間ほどかかりました

奈良盆地の真ん中にこんなに大きな遺跡が公園として残されていることに驚きました

訪れたのは2月だったのですが小学生が校外学習で訪れていたり近所の方が犬の散歩に来ていたりと開放的な公園だと感じました

この場所から見える奈良の山々の景色は弥生時代の人々が見た景色と一緒だったのですね

そう思うと歴史のロマンが感じられる場所と言えます

全て平坦な道なのでシニアの方でも疲れることなく歩けるのではないでしょうか

弥生時代の生活に触れたいシニアにおすすめです

唐古・鍵遺跡(からこ・かぎいせき)

唐古・鍵遺跡(からこ・かぎいせき)は奈良県磯城郡田原本町唐古および鍵地区にある弥生時代の環濠集落の遺跡です

国の史跡に指定され、出土品は国の重要文化財に指定されています

この遺跡は奈良盆地中央部、標高約48メートル前後の沖積地に位置し、遺跡面積は面積42万㎡(甲子園球場10個分)に及びます

最盛期の住民は900人ともいわれています

大型建物の跡地や青銅器鋳造炉など工房の跡地が発見され話題となりました

全国からヒスイや土器などが集まる一方銅鐸の主要な製造地でもあったと見られています

また唐古・鍵遺跡からは、多くの農具や土器が出土しており、これらは稲作に関連するものであると考えられています

唐古・鍵遺跡は弥生時代の稲作の歴史と密接に結びついており、弥生時代の農業活動を知る上で重要な遺跡なのです

1999年に国の史跡に指定され、出土した土器に描かれていた多層式の楼閣が遺跡内に復元されました

2004年には「唐古・鍵考古学ミュージアム」が開設され出土品などの展示が行われています

2018年には周辺が唐古・鍵遺跡史跡公園として整備され「道の駅レスティ唐古・鍵」も開業しています

ウォーキングコース

近鉄電車田原本駅を出発して「唐子・鍵考古学ミュージアム」を訪れてから「唐古・鍵遺跡史跡公園」を見学し、近鉄電車石見駅への帰路に「石見遺跡」を通るコースです

見学コースとウォーキングルートです

距離的には短いですが「唐子・鍵考古学ミュージアム」と「唐古・鍵遺跡史跡公園」ではゆっくり過ごしたいので3時間ほど見ておいた方が良いでしょう

平坦な道なのでスニーカーでも問題ありません

近鉄電車田原本駅

近鉄電車田原本駅から出発です

田原本駅のすぐ近くには西田原本駅があるのですがなぜか接続していません

駅前は狭いです

田原本町は江戸時代は平野家の知行地でした

昔ながらの町並みを抜けて唐古・鍵考古学ミュージアムを目指します

寺川の橋を渡り国道24号線と県道50号線の交差点に出ます

赤い車が止まっているのが県道50号線です

県道50号線を東に進むとしばらくすると北方向に白い大きな建物が見えてきます

これが田原本青垣生涯学習センターです

唐古・鍵考古学ミュージアムはその中に入っています

唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本青垣生涯学習センター内)

2階に上がると唐古・鍵考古学ミュージアムの部屋がありました

唐古・鍵考古学ミュージアムは唐子・鍵遺跡の考古資料を中心に展示しています

唐子・鍵遺跡から出土した土器や農具が400点ほど展示されています

出土品の実物がほとんど重要文化財というようなものが並んでいます

・利用案内

観覧料:一般200円 高校・大学100円
    注:マイナンバーカードを持参すると割引があります

休館日:月曜日

最盛期の唐古・鍵村の模型が展示していました

面積42万㎡(甲子園球場10個分)人口900人

水が集まりやすい湿地帯に建てられていて、環濠は水害を避けるための堀であると同時に水運として使っていたと思われています

水運を利用した交易もさかえ各地から物資や土器が運ばれていたと想像されています

唐古池からは木製の農具が多数出土していて弥生時代の稲作が社会基盤を構成していたということがほぼ確認された最初の例が唐古・鍵遺跡なのです

膨大な土器も出土されています

有名なのは絵画土器なのですが全国で今まで1000点近く発見されていますがその半数ぐらいは唐古・鍵遺跡やその周辺から出土されているのです

銅鐸を作っていた形跡が工房として残っていました

たくさんの人が住んでいて住居密度が高かかったことに加えてモノづくりの施設がいっぱいあったんだろうと想像されています

弥生時代の最先端技術が集まった場所だったのですね

小規模なミュージアムですが見どころはたくさんあります

見学者はkyokotoba一人だったのでゆっくり見学できました

唐古・鍵遺跡史跡公園

いよいよ唐子・鍵遺跡に向かいます

ミュージアムでもらった地図では須佐男神社を通るコースなのですが、分かりやすく歩くために国道24号線に出て北上するコースにしました

北に向かってしばらく歩くと唐古・鍵遺跡史跡公園です

途中コンビニもあるのでお弁当の調達をして行ってもいいですね

唐古・鍵遺跡史跡公園は遺跡全体の4分の1を公園として整備したものです

公園のシンボルである復元楼閣が見えてきました

遺構展示情報館でもらった唐子・鍵遺跡史跡公園のパンフレットです

・復元楼閣

この復元楼閣は1991年に出土した壺に描かれた絵画を参考に建てたものです

目的はなんだったのでしょうか

祭祀のためか望楼として使用していたのか現在でも定説はありません

・唐古池

唐古池は江戸時代に造られた農業用のため池です

ここから多くの農具や土器などが出土しました

ぐるっとひと回りしました

池の周りには桜の木が植えられていて桜が咲けばとてもきれいだろうと思いました

・多重環濠エリア

唐子・鍵の集落を洪水や敵から守る多重環濠を復元しています

川幅は狭いですが幾重にも掘っていました

公園内には出土した土器類の説明版がたくさん置かれていました

・復元された大型建物の柱

大型建物跡は地下に眠っています

・生活体験広場

大きなベンチやトイレがあります

ちょうど小学生が遠足に来ていました

思い切り走り回れるので良いですね

・弥生の大環濠

幅7から8m、深さ最大2mの環濠です

幅も広くなく深さも浅いので、あまり防御のための造作がメインになっていません

唐子・鍵集落の環濠は治水や海運水路の目的が大きかったと言われています

・遺構展示情報館(公園事務所)

大環濠の横に遺構展示情報館があります

ここに再現されているのは大型の建物の発掘された跡です

1999年に発見された大型建物跡の発掘現場を実寸大に再現しています

実際には国道の西側で出土したのですが移転して復元しています

トイレや自動販売機もあります

とても広い史跡公園でした

家族連れならピクニックに来て子どもを思う存分遊ばせることもできます

何と言っても復元楼閣が唐子・鍵遺跡のシンボルとして目立っていたのが印象的でした

道の駅レスティ唐古・鍵

道の駅「レスティ唐古・鍵」が国道を挟んだ公園の向かいにあります

1階は地元特産品の販売を行っています

2階は飲食施設やトイレがあります

公園が見えるテラスもありました

平日ですが多くの人が訪れていました

石見遺跡

唐古・鍵遺跡史跡公園から石見駅に向かうのですが途中に埴輪で有名な「石見遺跡」があるので見学しました

石見遺跡に向かう道は住宅街を抜けたり小道になったりと分かりにくかったです

GoogleMapのお世話になった方が良いと思いました

この道で良いのか不安になりそうな道

目印は石見新池という池です

石見遺跡は池の端にありました

バス停留所のような小屋があり、そこに埴輪の複製品が展示されています

左から 椅子に座る男性 飾り馬 入れ墨の男の埴輪です

全て複製品ですが現物は橿原考古学研究所付属博物館にあります

石見遺跡は5世紀後半から6世紀初期にかけての祭祀遺跡とされています

昭和40年頃より住宅開発に伴い発掘調査が行われ、新池の南側から埴輪円筒・盾・馬・鹿・家・人物や多数の木製品などが倒壊した状態で出土しました

この遺跡は古墳跡ではなく、治水や豊作、生産に関連する祭祀儀礼が営まれた遺跡としての性質が考えられています

ちなみに、奈良県立橿原考古学研究所のマスコットキャラクターである「イワミン」は、石見遺跡出土の人物埴輪をモデルとしています

石見遺跡は重要な史跡ということが分かりました

近鉄電車石見駅

石見遺跡から石見駅までは近いのですが、これも分かりにくいです

GoogleMapでは大きな道に見えますが駅に行くには左の細い道を行きます

駅に行くにはこの細い路地のような道を進みます

GoogleMapで示される道は道幅が大きく感じるのですが、実際の道は細い道で農道のようにも見える道でした

昔ながらの街を抜けて駅に到着です

まとめ

唐古・鍵遺跡と石見遺跡がメインのウォーキングでしたがゆっくり見学することができました

唐古・鍵考古学ミュージアムで十分予備知識をつけて見学したのが良かったのかもしれません

吉野ヶ里遺跡は戦争を考慮した環濠集落でしたが唐古・鍵遺跡は交易と農業中心の環濠集落だと違いがよく分かりました

奈良にも弥生時代の重要な遺跡があることをもっと多くの人にも知ってもらいたいと思いました

唐古・鍵遺跡史跡公園には桜の木が多くあるので桜の花が咲くころがベストシーズンかもしれません

唐子・鍵遺跡は弥生時代の生活に触れたいシニアにおすすめです

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