こんにちはkyokotobaです
今回は先に紹介した日本最古の道「山の辺の道」の続編です
「山の辺の道」を天理駅から大神神社まで歩いたことを紹介したのですが「山の辺の道」は桜井駅まで続いているのです
別の日に残りの行程を今度は反対方向つまり桜井駅から大神神社まで歩きました
2時間もあれば余裕で歩けるので少しだけ山の辺の道を歩いてみたいと言う方にもおすすめのコースと思います
興味がある方はぜひ最後までお付き合いください

ガイドブックなどでは「山の辺の道」は天理駅と桜井駅が起点・終点として紹介することが多いです
どちらが起点・終点でも良いのですが桜井駅から歩いている人の方が多いと感じます
桜井駅はJR西日本の桜井線(万葉まほろば線)と近鉄大阪線が乗り入れていて接続駅となっています
電車の本数は近鉄電車の方が多いので便利だと思います

今回歩いたコースには仏教伝来之地碑や日本最古の市である海柘榴市(つばいち)の名を残している海柘榴市観音堂、金屋の石仏や崇神天皇の磯城瑞籬宮(しきみづがきのみや)跡、そして大神神社など距離は短いですが見どころが凝縮されています
「山の辺の道」を少しだけ歩きたいという旅行者なんかには短時間で歩けるので良いのではと思います
仏教伝来の地から日本最古の神社まで見どころ満載の「山の辺の道」を短時間で回りたいシニアにおすすめです
桜井駅から大神神社までのコース紹介
今回は近鉄電車桜井駅よりスタートしました
訪問順は下記の通りです
・見学先順のコース

・地図によるコース

桜井駅からJR三輪駅まで2時間あれば十分な工程です
近鉄電車桜井駅
近鉄電車大阪線の桜井駅からスタートです
駅舎が繋がっているのでJR桜井線(万葉まほろば線)の桜井駅下車でも良いです
近鉄改札口出た所に観光案内所があったので「山の辺の道」ハイキングコースガイドマップを頂きました

親切にバスや徒歩の情報を教えてもらえるので是非立ち寄ってください
このガイドマップだけで歩くのは少し難しいので参考程度にした方が良いでしょう

駅の北口には大きな塔が建っていました
仏教公伝の地と相撲発祥の地と書かれています

どちらも「山の辺の道」沿線に関連物を見ることができます
北にまっすぐ通りを進み3つ目の交差点を右に曲がります

「山の辺の道」の標識があるので分かります

スーパーセンターOKUWAを通り過ぎてください

セブンイレブンの交差点を左に曲がります

大和川に当たるまで進みます
陸橋のガード下を通り川沿いに右に進むと仏教伝来之地碑が対岸に見えてきました

仏教伝来之地碑
大和川に架かる馬井手橋を渡るとそこに仏教伝来之地碑があります


古代にはこの辺りには「海石榴市(つばいち)」と呼ばれる当時最大の大きな市があったとされていて、大阪湾の難波津から大和川を上って国内だけでなく外国からの遣いや物資が上陸した船着き場があった重要な場所だったようです

近くには欽明天皇の磯城嶋金刺宮(しきしまのかなさしのみや)があったといわれています
日本書紀には、「欽明天皇の十三年(西暦552年)冬十月、百済の聖明王は西部姫氏達率怒唎斯致契等を遺して釈迦仏金銅像一躯、幡蓋若干、経論若干巻を献る」と記されており、それをもって日本に仏教が伝来したとされています
その百済からの使節が川をさかのぼり、この場所に上陸したとされているために仏教伝来の地として記念碑が建てられているのです
さらにこの場所は遣隋使の小野妹子が帰国したのもこの地と伝えられています
隋からの使者である裴世清(はいせいせい)は下客(しもべ)12人とともにこの地に降り藤原京に向かったとされています

何とも歴史上重要な場所なんですね
教科書で習う出来事が起きた場所と思うと感動してしまいます
(注)仏教伝来の時期は538年の説もあります
また海石榴市(つばいち)も別の場所だとする学説もあるようです
ご興味がある方はお調べなるといかがでしょうか
海柘榴市観音堂(つばいちかんのんどう)
仏教伝来之地碑から細い道をまっすぐに金屋地域に向かいます

万葉集や日本書紀にも登場する海柘榴市(つばいち)は現在の三輪山の麓にある金谷地域を指すと言われています

現在、市はありませんが海柘榴市観音堂にその名を残しているのです
道よりちょっと入り組んだ場所にありますが距離はないので是非訪れてください
三叉路にある標識の下には万葉集に詠まれた歌の石碑が建っています
「紫(むらさき)は 灰指(さ)すものそ 海石榴市の 八十(やそ)の衢(ちまた)に 逢へる児(こ)や誰」という求愛の歌です


観音堂はきれいに整備されていました

右側が十一面観音立像、左側が聖観音菩薩立像です

トイレもあり休憩場所もありました

また観音堂のすぐ近くに石仏が多数祀られていました
金屋の石仏
海柘榴市観音堂から金屋の集落を進みます

「山の辺の道」の標識が出るので右に折れて道なりに進みます

しばらく歩くと左手に喜多美術館が現れるので、その右に見えるのが「金谷の石仏」の収蔵庫です

「金屋の石仏」は国の重要文化財です
収蔵庫には2体の石仏が安置されています
ともに凝灰岩製の石板に浮彫(レリーフ)されたもので、向かって右が釈迦如来像、左が弥勒如来像といわれています

この2体の拓本が桜井の安倍文珠院にある金閣浮御堂に納められているのでご興味ある方は安倍文珠院を訪れてみてください
この収蔵庫の下には出所地が不明の石棺と思われる石が置かれています

うっかりすると見過ぎしてしまいそうです
磯城瑞籬宮(しきみづがきのみや)跡
「金谷の石仏」収蔵庫横にもトイレがありました

これからしばらく山の辺の道は薄暗い道が続きます
三叉路が出てくるので右が「山の辺の道」で左に曲がると崇神天皇磯城瑞籬宮跡です

三叉路に到達する前から磯城瑞籬宮跡の標識が見えていました

磯城瑞籬宮は第10代崇神天皇が営んだ宮とされています

崇神天皇は実在した可能性のある最初の天皇とする説があります
祭祀、軍事、内政においてヤマト王権国家の基盤を整えたとされているからです
考古学上実在したとすれば治世時期は3世紀後半から4世紀前半と推定されています

宮跡地には志貴御県坐神社が建てられています

拝殿横には古代の「磐座(いわくら)」と呼ばれる祭祀跡もありました
当地が古くから信仰の場所であったことがうかがえます

三輪山平等寺
磯城瑞籬宮跡から山の辺の道に戻ります
山の中の道が少し続きます

しばらく歩くと大きなお寺が出現します

それが三輪山平等寺です

三輪山平等寺は聖徳太子が創建されたと伝えられています
鎌倉時代には大伽藍を有した三輪社奥の院として由緒ある名刹でした
有名な話として関ヶ原の戦いで敗軍となった島津義弘以下、第一家老の川上四郎兵衛はじめ本部隊の13名が平等寺に落ちのびて帰国まで数か月過ごしたお寺でもあります

ところがそんな三輪山平等寺も明治維新の廃仏毀釈により廃寺寸前まで追い込まれたのです
しかし地元民の協力もあり場所を移動して生き延びて昭和52年6月4日に平等寺と寺号が復興されて現在に至っています

「山の辺の道」にある内山永久寺も廃仏毀釈で大寺院が無くなってしまっていますね
なんとも取り返しがつかない歴史遺産の破壊だったですね
大神神社
三輪山平等院から大神神社に向かいます

三輪山平等寺の駐車場を過ぎると大和三山の畝傍山と耳成山が見えました

大神神社まではもうすぐです
途中の道脇に成願稲荷神社があったのでお参りさせていただきました

大神神社に到着しました

2回目の訪問ですが神々しい雰囲気の日本最古の神社にふさわしい社でした

大神神社の創建に伝わるお話
古事記には、大国主命の国造りの物語に大物主命の登場と三輪山に祀られたはなしが記されています
大国主命は国造りの事業をされていたところ、海の彼方から光り輝く神がやって来て「私をよくお祀りしてくれたなら共に国造りをしましょう。そうしなければ、国造りは難しいですよ。」と申されたそうです
大国主命がそれならばあなたをどこにお祀りすればよいかと訊ねると、神は、「私を倭の青垣の山に祀ってくれたら国造りを成すことができるであろう」といわれました。この神の名を大物主命といい、大国主命は、そのとおり、大物主命を倭の御諸山(=三輪山)にお祀りしたと記されています
何が言いたいかと言うと、古事記の時代に神社の由来が記されている大神神社は日本最古と言って良い神社だということです
三輪駅
大神神社から参道を通ってJR三輪駅に向かいます

その前に有名な大鳥居まで歩いてみました

一の鳥居は別にあるのですが、その大きさから大鳥居が有名です
大鳥居は昭和59年の昭和天皇ご親拝の記念と御在位60年を奉祝して建立されました

国道169号線から大神神社に向かう入り口にあります
12月末に歩いたので日の暮れるのが早いです
まだ16時なのに薄暗くなり始めたので帰ります
JR三輪駅は電車の本数が1時間に1本から2本なので時刻表を前もって調べておいた方が良いと思います
(追)先に記事に書いた「山の辺の道」天理駅から大神神社までは下記からご覧になれます
まとめ
「山の辺の道」をこれで天理駅から桜井駅まで全ルートを歩いたことになります
見どころ満載の古の道と言うことを実感しました
「山の辺の道」と並行して国道とJRが走っているので、歩くことができる時間に合わせてスケジュールを決めてもいいし、いつでもリタイアできることが誰にでもお勧めできるハイキングコースと再認識しました
遠くから来られる方は何回かに分けて「山の辺の道」を歩いたらどうでしょうか
特に今回歩いた桜井駅から大神神社までのコースは2時間あればゆっくり歩けるので初心者や時間が無い方にも無理なく歩けるでしょう
仏教伝来の地から日本最古の神社まで見どころ満載の「山の辺の道」を短時間で回りたいシニアにおすすめです
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